会報抜粋

テーマ:イオン伊丹西ショッピング・センター出店反対対策協議会が市長に趣意書を提出
No  :平成18年07月号

<内容>

5月30日(火)イオン伊丹西ショッピング・センター出店反対対策協議会は、伊丹市役所にて藤原伊丹市長に対して、イオン伊丹西ショッピング・センター出店反対の趣意書を提出した。
伊丹市池尻の三菱電線工業株式会社の伊丹製作所跡地では、イオン株式会社によるショッピング・センターの出店計画が進められている。
協議会としては、この出店計画に反対するとともに、計画が撤回されるまで反対運動を展開し、商業者のみならず、これに賛同する地域住民、地元消費者をも包含した賛同者を集め、運動を展開していくとしている。

<出店計画に反対する理由>

1.地域環境、居住環境の保全並びに維持に関して
(1)広域商圏消費者が利用する自動車などによる通行量の増加は必至で、このことが幹線道路のみならず生活道路に至るまで、交通渋滞や騒音、排ガスによる大気汚染をもたらすばかりでなく、交通事情の悪化に伴う、交通事故の多発など、あらゆるトラブルを引き起こす元凶となる。ダイヤモンドシティ・テラスの2002年10月開業時の混乱をはるかに凌ぐトラブルは避けられない。ダイヤモンドシティ・テラスの現在の集客交通事情は自動車分担率が40%となっており、土日祝日の近隣の混雑は市民の周知の事実となっている。ところが、当該店舗の自動車分担率はダイヤモンドシティを大きく上回る80%ぐらいと見込まれる。これによる交通渋滞は想像を絶するものとなる。
(2)昆陽の里をはじめとする各交差点飽和度は計算できないくらいの状況となるのではないか。
(3)こうした状況下で周辺住民の緊急時に消防自動車・救急自動車等の進入ができなくなるのではないか。安全・安心のまちづくりが可能なのか。近くに鉄道のない地域住民が普段の交通手段として必要不可欠な市バス・阪神バス等の路線バス運行を妨げる交通事情は、住民生活を脅かす問題である。尼宝線の拡張を待たずしての大型店出店は、住宅街への迂回車の急増、違法駐車等あらゆる悪影響をもたらす事態となることは必至である。当該事業所においては、駐車場への左折進入を広く提唱しており、提供資料内のアクセス道路詳細図の進入方法は、実際不可能であり、このことから見ても、Uターンの為の地域住宅街への侵入は十分に予測される事態である。
(4)近接する桜台小学校、池尻小学校の学童生徒、県立伊丹西高等学校の生徒への教育環境の悪化をもたらす。とりわけ、過大な商業施設に加えて付設されるアミューズメントは、青少年の非行化につながるおそれなしとしない。

2.まちづくり三法の改正主旨に関して
(1)まちづくり三法の改正を控え、町の賑わいを取り戻す仕組みづくりが重要であるとの認識のもと、大規模集客施設の「駆け込み出店」を断固阻止し、本来のまちづくり三法改正の目的である、郊外にまで広がり過ぎた街の形態を見直し、投資効率の良いコンパクトシティーを目指すことと併せて、まちなかへ賑わいを取戻す仕組みを崩さぬよう、地域消費者と商業者が一体となって今後も街づくりに取り組む体制を確保して行きたい。特に都市計画法における用途地域の制限に関し、工業地域では大型店出店ができない旨改正される予定である。この主旨から「駆け込み出店」を認めるのは、法の改正主旨に反するものと考える。
(2)伊丹市の商業者のみならず地域住民は、大型店出店の恐怖を身にしみて痛感している。ダイヤモンドシティの登場依頼、活気溢れるまちづくりどころか、伊丹のまちは淋しくなっている。市内の地図表面には変化は見えないが、明らかにオーバーストアーである。大型店出店のたびに賑わいを欠き、悲鳴を上げる伊丹市内の状況は、市の崩壊をも予測させる事態となっている。大型店出店のたびに「賑わい地図」が変わっていく淋しい危機的状況をこれ以上作ってはならないし、何故必要なのか。
(3)ダイヤモンドシティ出店の際に、商業者・住民に提唱していたビジネスチャンスや雇用の状況は果たして有益であったか、予測どおりの数字が得られているか。事業者の社会的責任はどうであったか。地方公共団体が実施する中心市街地の活性化のための施策の実施に協力するよう努めなければならないという法の責務規定(新設)に反する出店をもうこれ以上必要としない。